こんにちは、店長の茂木です。
パプリカ店舗では簡単なリペアやメンテナンスも承っております。
大体調子の悪くなる部分や出てくる症状というのは似通っているのですが、稀に予想外の原因や症状が出てくることがあるので、そのような稀なケースは自分の忘備録と同じ症状で悩んでいる方への参考情報としてブログに書いてみることにしました。
で、今回の内容ですが、先日Hofner B bass Hi seriesのバイオリンベースを音が出ない、ということでお預かりさせていただきました。
お客様のお話では1年ぶりくらいにケースから取り出したら全く音が出なくなっていた、とのことでした。
アンプに接続してチェックしてみると、確かに全く音が出ません。
スイッチを切り替えたり、ポットを回してみたりしてもダメ、ジャックも特に問題なさそうでした。
テスターでPUの生死をチェックたところ、生きています。
パッと見原因らしい原因が見当たらず、ハンダの怪しげな部分を再ハンダしてみたり、配線に断線が無いかチェックしてみたものの、やはり音は出ず。
これはスイッチくらいしか原因が考えられないなー、とスイッチの通電を確認してみると、切り替えても反応しません。
試しに一つ外して中を開けてみると、接点部分の金属が見事に全てくすんでしまっており、絶縁状態になっておりました。
写真の接点の一番右は試しにコンパウンドで磨いた状態です。
照明を反射して白く光っているのがわかると思います。
対して真ん中と左の接点は完全にくすんでしまっています。
くすみでガリやノイズが出ることはよくありますが、ここまで完全に通電しない状態になってしまうことは珍しいですね〜。
原因が分かったので3つとも外してサビ落し処理を行い、念のために一箇所ずつ綺麗に磨いた上で接点復活剤を塗布。
組み立てて基盤に再度ハンダ付け。
無事復活しました。
保管環境の影響なのか、それとも金属の質の問題なのかは分かりませんが、また長期保管後に同じような症状が出ないことを祈るばかりです。