こんにちは、パプリカミュージック店長の茂木です。
文化祭や学園祭、野外ライブなどのイベントシーズンもピークが過ぎ、12月のクリスマスパーティーや忘年会、年末ライブに備えている方も多いのではないでしょうか。
そんなイベントシーズンにとにかく酷使されてボロボロになるのが日本国内のギタリストの99.9%が使用したことがあると言っても過言ではないRoland JC-120 ジャズコーラス、通称ジャズコ!
スタジオやライブハウスに必ず常設されているアレです。
ジャズコは基本的にタフで結構ガシガシ使っても余裕で受け止めてくれる懐の深さがあるのですが、さすがに酷使しすぎると壊れます。
当店でも修理を受付することがあるのですが、その中でも多いのが今回ご紹介する「インプットジャックとナットの破損」です。
ナットがプラスチックパーツなのでぶつけて割れちゃったり、緩んだ状態で使用していて締め直したらネジ山がバカになってしまったり、、
気づいたらナットが無くなってジャックが陥没しとる!!というパターン。
今回はそんなジャズコのインプットジャックが壊れちまったけどお金も無いし、これくらい自分で直しますわ!という方向けの手引きとして詳細を書いていこうと思います。
用意する工具
・ハンダごて
・ハンダ
・ハンダ吸い取り線
・モンキーレンチ
用意するパーツ
注意点
・ハンダごてを使うので火傷に注意して下さい。
・アンプ内部には触れると危険な高圧のコンデンサーなどがござます。大丈夫かな、、と心配な方は無理せずにお近くのリペアショップにお持ち込み下さい!
・JC-120は年代によって仕様が違います。特に古いJC-120をお使いの場合は上記パーツがうまく使えない可能性があります。
交換手順
1.アンプ部分を取り外します
まずはじめにアンプ部分を筐体から外します。
筐体上部にある6つのネジとサイドの2つのネジで固定されているので全て外してあげます。
このネジを外す時の注意点なのですが、一つのネジを一気に外してしまわず、一つ一つを少しづつ緩めていってあげてください。
どこかのネジを一気に外してしまうと最後に残ったネジに負担がかかり、最悪の場合ネジが曲がってしまうことがあります。
僕が作業する時は大体サイドのネジを先に外し、上部の6つを均等に少しづつ緩めていく、という手順で外しています。
上部のネジを先に外すと上から吊るされていたアンプ部分の重さがサイドのネジに一気にかかってしまい、曲がってしまう可能性があるからです。
2.後ろの木製パネルを外します
次に筐体後ろの木製のパネルを外します。
左右2つずつのネジで止まっているのでまずこれを外し、手前に引っ張ってあげると外れます。結構きつくはまっていることや表面どうしがピッタリとくっついてしまっていることもあり、外すのに力が必要なこともあるのですが、古い機種だとこの部分が壊れやすいものもあるので気をつけてください。
木製パネルが外れたらアンプ部分を裏にずらして取り出します。
この時スピーカーケーブルや電源ケーブルの長さや引っかかりに気をつけてください。
長さがたりなかったり、ケーブルがどこかに引っかかっているのを無理やり引っ張ってしまうと配線が切れてしまったりスピーカーに取り付けている部分のプラグが折れてしまう可能性があります。
2.アンプを取り出し、ジャック部分を外します
先ほども書いた通り、ジャズコのナットはプラスチック製なので外したり締めたりする際は破損に気をつけて下さい。
このままの状態でハンダ付け出来るよー、という人はこのままでも良いのですが、出来れば白いパーツ部分を外してあげると作業がしやすいと思います。
このパーツははめ込み式になっていて引っ張れば簡単に外れるのですが、配線を引っ張ると配線が白いパーツから外れてしまう可能性があるので必ず白いパーツ部分を引っ張るようにして下さい。
こんな感じで外れます。
右の基盤に付いているジャックは曲がってしまってますね。
多分ナットが外れたまま使用していたんじゃないかと思われます。
3.ハンダ吸い取り線でハンダを外します
ジャズコのジャックは3つの端子が基盤にハンダ付けされているのでこの3箇所のハンダをハンダ吸い取り線で吸い取って外してあげます。吸い取り線を吸い取りたいハンダの上に乗せて、その上からハンダごてを押し付けてあげるようなイメージです。こうするとハンダが温まり溶け出してくると同時に密着しているハンダ吸い取り線に溶け込んでくれます。
こんな感じで綺麗にハンダを吸い取ることができます。ジャックを基盤から抜く時はちゃんと端子部分と基盤部分が完全に外れている状態か確認して下さい。
少しだけくっついてしまっている状態で無理やり引っ張ってしまったりすると基盤側のハンダ付け用の銅箔が剥がれてしまい、ハンダ付けできなくなってしまう可能性があります。
4.ハンダ付けしてナットを取り付けて完了
ダメになったジャックを取り外して新しいジャックを基盤の3箇所の穴に挿入、比較的しっかり固定されるのでそのままハンダ付けしてあげます。
ハンダはあまり多すぎてもよくありませんが、比較的負荷のかかりやすい場所なので気持ち多めに付けてあげると良いかと思います。
最後に2番で外した白いパーツを元に戻し、ジャックをモンキーレンチで締めて完了です。
前述しましたが、ジャックを締める際はあまり強く締めすぎないように注意です!
いかがでしたでしょうか?
ハンダ付けに慣れている方であれば比較的簡単に出来る作業ですが、中学校の技術の授業以来ハンダごてなんて触ってなーい、という方はお近くの楽器店やリペアショップなどに持ち込んで頂いた方が良いかもしれません。
ちなみに今日ご紹介したジャズコ用のパーツはパプリカミュージックで販売しております。
以下にリンクを貼っておきましたのでチェックしてみて下さい。